お店の会計でクレジットカードを渡すとき、いつも不安に襲われることがあります。気づかないうちにハッキングやスキミングされる可能性があるからです。
スキミング(英語: Skimming)とは、カード犯罪で多く使われる手口の一つで、磁気ストライプカードに書き込まれている情報を抜き出し、全く同じ情報を持つクローンカードを複製する犯罪である。(出典:wikipedia)
スキミングの装置はカードの情報を一瞬で抜き取ることができます。有名人では北斗晶さんが被害にあいましたよね。
元女子プロレスラーでタレントの北斗晶(44)がクレジットカードのハッキング被害に遭っていたことが17日、わかった。アメリカで不正利用され、15日午前に3回に渡り買い物された履歴があったという。カード管理会社からの連絡で被害が判明し、16日付の自身のブログで報告した。所属事務所によるとハッキングされた経緯は不明という。(出典:オリコン)
誰もが被害者になってもおかしくないクレジットカードの不正利用。万が一、被害者になったときに補償はどうなるのかポイントを解説します。
どこで不正利用された?
クレジットカードの不正利用は、自分以外の第三者にクレジットカードの情報を抜き取られることから始まります。
問題はいつ抜き取られたのか?
- スキミング
- カード盗難・紛失
- ネット詐欺
1.スキミング
冒頭で紹介したスキミングは最も被害を報告されています。海外旅行ではお店だけじゃなくホテルもヤバイんだとか。北斗さんが担当者に聞いたケースと注意点がこちら。
・クレジットカードで買い物をする時には、暗証番号を入れる場合は周りに見られない様に気をくばる
・お店側がカードを切って清算する場合は、目の前で!!お店の後ろにカードを持って行こうとしたら怪しいと思って、目の前でカードを切って貰う事
・旅行先では、ホテルのフロントにも最善の注意を…カウンターが高いから内側が見えにくい。
・部屋にカードを置いておかない。ベッドメーキングなどがあるから……
(引用:北斗晶公式ブログ)
なかでも、急増しているのが「貴重品BOX」のスキミング被害。ゴルフ場や温浴施設など設置されている貴重品ボックスありますよね。暗証番号を入力するとき、背後から覗かれたり小型カメラの盗撮されたことにより開錠。財布に入っているクレジットカードをスキミングし、カード情報を盗み取る。そのクレジットカードはそのまま財布に戻して施錠。スキミングにより抜き取った情報をもとに偽造のクレジットカードを作成し多額の商品を購入したりATMから現金を引き出したりするというのです。ATMから現金を引き出すときの暗証番号は、貴重品ボックスの暗証番号と同じにしている人が多く、被害を拡大させているといいます。
やっかいなのは、財布の現金やクレジットカード自体は抜き取られていないため、なかなか被害にあったことに気づかないこと。気付いたときには限度額まで悪意のある第三者に使い込まれる可能性が高いのです。
2.カード盗難・紛失
続いて多いのが盗難や紛失です。
電車や駅のベンチでは眠り込んでいる隙に、飲食店や理髪店、麻雀店などで上着やカバンを手元から離した隙に、大声を出してトラブルを起こした隙に、繁華街で酔っ払っている人に強い酒を飲ませたり薬物を飲ませて昏睡状態にした隙に、駐車場に停めてある車内のETCカードを狙って・・・
盗難は「隙」が被害を生みます。
一方、紛失は財布ごとなくして、という方が多いのではないでしょうか。
3.ネット詐欺
ネット通販などの利用者の被害も急増しています。利用する際にクレジットカード決済をするための個人情報の入力が被害に遭うとき。そこは偽物のサイト。まんまと詳細なクレジットカード情報が悪質な第三者にわたってしまうことになるんです。これはフィッシング詐欺と呼ばれています。
日本クレジットカード協会ではユーチューブで動画を公開し注意喚起を行っています。
フィッシング詐欺に遭わないポイントは5つ。
・怪しい電話に注意
・リンク先をよく確認しよう
・パソコンには対策ソフトを
・カード会社へ連絡しよう
怪しいリンクをクリックしてウィルスに感染したり、電話やメールなどから被害に遭うケースも報告されています。
不正利用に遭ったら?
いくら気をつけていても不正利用の被害に遭うことはあります。100%防ぐことはできないと心のどこかで覚悟しておいたほうが慌てないで済みます。
もし不正利用されたことに気づいたら、真っ先にやるべきことはただ一つ。すぐカード会社に連絡することです。
連絡を受けたカード会社は、ほぼ同時に不正利用されたクレジットカードが使用できない手続きを取ります。
カードを盗難・紛失したときの連絡先一覧はこちら。365日・24時間受け付けています。
会社名 | 連絡先 | ||
---|---|---|---|
アメリカン・エキスプレス | 0120-020-120 または 03-3220-6100 | ||
JCB(ジェーシービー) | 0120-794-082 | ||
三井住友トラストクラブ | ダイナースクラブカード | 0120-074-024 | |
SuMi TRUST CLUBカード | 0120-003-081 または 045-330-6901 | ||
三菱UFJニコス | MUFGカード(UFJカード含む) | 0120-107-542 | |
DCカード | 0120-664-476 | ||
NICOSカード | 0120-159-674 | ||
UCカード(ユーシー) | 東京 | 03-6688-7669 | |
大阪 | 06-7709-8500 | ||
三井住友カード | 0120-919-456 |
(出典:日本クレジットカード協会)
紛失だけならカード会社に連絡するだけでOKですが、悪意ある第三者にしようされたことが分かった場合、警察に連絡します。
・紛失のみ〜カード会社へ連絡
・紛失と不正利用〜カード会社と警察に連絡
カード会社に連絡すると、今後行うべき行動を教えてくれるのでその指示に従ってください。所定の手続きを終えたあと、新しいカードを発行してくれます。
補償は
不正利用された場合の補償はどうなるのでしょう。実はクレジットカードには、盗難保険が付いています。付帯サービスとして基本的なものですべてのカードに付帯されています。
この盗難保険は、カード会社だけではなく警察に連絡して届けておかないと適用されない場合があります。
注意したいのは、盗難保険の適用がショッピング枠にかぎられるということ。キャッシング枠は基本的に補償の対象に含まれないんです。
また、補償は紛失・盗難に遭ってから原則30日としているところが多いので「ただちに連絡」は最優先に行ってください。
不正利用だと判明したら、悪意ある第三者が使った買い物代が請求されることはありません。
え!これも!?補償の適用外
盗難保険により、万が一不正利用されても補償されることがわかりました。ただし、キャッシング枠のほかにも、補償を受けられない可能性が意外と多いので注意しましょう。
・カードの裏面にサインをしていない
・暗証番号が0000や誕生日などわかりやすい
・すぐカード会社に連絡しなかった
・カード会社に嘘の説明をした
・補償期間をすぎてしまった(60日〜が多い)
・警察に紛失・盗難届を提出していない
・親や知人など合意の上で第三者が利用していた
これらはクレジットカード会社により異なりますが、一般的なものばかり。銀行やカード会社でよく注意喚起をしているのを見かけますが、結局「暗証番号は誕生日」という人も多いのではないでしょうか。これはバレやすい暗証番号に該当し、自分に過失があったと認めるようなものなので盗難保険の適用外になる可能性があるんです。覚えられない、などと言わず同じ数字(0000など)、並びの数字(1234)、誕生日、電話番号以外の暗証番号にしましょう。
パソコンやスマートフォンで通販サイトを利用する際には、フィッシング詐欺に気をつけること。
サイトアドレスの前に「鍵マーク」が付いているサイトは情報が暗号化されている証拠。安全なサイトを見極める一つの判断基準になりえます。ただし、100%安全ではないことだけは忘れずに。
万が一不正利用されたとしても、自分に非がなければ原則として補償されます。そのためには、利用明細をこまめにチェック、カードの裏面には必ず直筆の署名など日頃から最低限の対策をしておくことです。
まとめ
残念ながら、これからもクレジットカードを不正利用しようと暗躍する悪意ある第三者がいなくならないのが現実でしょう。
・安易な暗証番号は使わない(生年月日、電話番号、自宅の住所、同じ数字、並びの数字)
・カードの裏面に署名する
・親族を含む第三者には貸さない
・カードを失くしたらすぐカード会社に連絡する
・不正利用されたことに気づいたら警察にも連絡する
これらの条件を満たせば盗難保険の適用を受けやすくなります。
参考にしたサイト
・日本クレジットカード協会