事業ローンの融資を受けるにあたって独自に事業計画書を作成しました。しっかりとした計画書があれば融資が通りやすいことを教わったからです。結論からいうと、ただ書けばいいというものではありません。
△44ページの大作になった事業計画書のスクリーンショット。(「日々つむ」で検索するとサイトが出てきます) ワード(word)で作成したものです。分量が多ければやる気が伝わると考えたこともありどんどん枚数が増えていきました。しかし分量はあまり関係なかったですね。
融資の担当者は融資を可とするか不可とするかの根拠や材料をひたすら求めてきました。その裏には上司の存在がありました。上司へのプレゼンがすべてなのです。上司がイエスというかノーというか。特に重要なのが「数字」。つまるところ、数字しか見ていないといっても過言ではありません。
事業計画書とは「数字」を的確に伝えること。融資が有利になることは確かです。キモを外すとただの時間の無駄。
というわけで、事業ローンに通るために必要な事業計画書の書き方をまとめました。すべて実体験です。
新事業か否か
融資を受けるにあたってまずは最寄りの商工会議所や自治体の無料相談を利用されることをおすすめします。
当初、メディア事業を立ち上げることは新規事業であり、日本政策金融公庫の融資項目では「新創業融資制度」にあたると思っていました。
そこで、企業概要書を新創業融資制度用のフォーマットで書いていたのですが、結果は事業拡大にあたるとの判断ですべてやり直し。
完全にやり直しというわけではなく略歴や事業の内容等はコピペできましたが、かなりの時間を無駄にしました。勝手な思い込みで行動すると回り道につながります。
わからないことは当たり前。大事なのは無知に気づくこと。とにかく自分以外の誰かに相談し、アドバイスに耳を傾けることが融資を実現する近道になります。
わからないことがあれば誰かに聞いて確認する
事業計画書とは?
事業計画書は、日本政策金融公庫や銀行などが融資するかどうか判断する書類のひとつです。決まった書き方のフォーマットはありません。全くの素人から起業するときも、事業をすでに行っている企業や個人でも、必要になります。
先ほど、事業計画書は44ページと膨大になったといいましたが結局12ページまで絞りました。(参考資料として44ページバージョンも審査の材料として提出しました)
△エクセル(Excel)でリライトした事業計画書のスクリーンショットです。資金繰りや損益計画表など表を用いるのでワードからエクセルに切り替えました。
2枚目=申し込み人情報
3枚目〜事業スケジュール
4〜6枚目〜新事業概要
7枚目〜開業資金計画書
8枚目〜開業資金調達計画
9枚目〜損益計画表
10枚目〜資金繰り表
11枚目〜売上、仕入・経費の根拠
エクセルの使い方がわからない?安心してください。書式フォーマットは、日本政策金融公庫をはじめ無料でダウンロードできます。
・日本政策金融公庫の各書式ダウンロードはこちら。
事業計画書のフォーマットはダウンロードできる
わたしは、いろんなところから切り貼りしてカタチを整えていきました。では、一つ一つ見ていきましょう。
2枚目〜申し込み人情報
ウェブメディアのキャリアは0年ですが、別ジャンルのメディアで22年の実績があります。
しかし、実績が審査の当落に占める割合はかなり多かったような気がしています。ただ、実績がないからといって審査に落ちるわけではありません。
例えば、ラーメン屋さんを開業するときは誰だって経営者の経験はないはずです。ただ、どこかで修行を積んで、店長にまでなって、などの実績があれば審査に有利となるのは間違いありません。あとは、数字を根拠とする計画性がしっかりしているかどうかです。
3枚目〜事業スケジュール
△開業までのスケジュールを具体的に書いています。これまでどんな道のりを経てきたかがわかりやすいので担当者には好評でした。ペラ1で十分なので、融資相談や飲食店や事務所の物件探し、申し込み完了の日付などを書きましょう。難しくないけれど信頼を得る項目の一つです。
4〜6枚目:新事業概要
新事業概要は、業種、組織、開業場所、開始する事業の経験、新事業のお同期、コンセプトや世界観、運営理念、サービス内容とマネタイズ、当面の戦略、強みなどを1項目あたり3〜5行ほど端的に書き込みました。
7枚目〜開業資金計画書
△設備資金と運転資金にわけて、必要なものを羅列していきます。もちろん金額も正確な数字を記入します。
別途、数字の根拠となる見積書(取引先に依頼したり、一部の家電量販店ではネット上で見積りをだしてくれます)を提出しました。つまり、テキトーな数字ではダメだということ。
8枚目〜開業資金調達計画
△設備資金と運転資金にわけて調達先を明記します。自己資金がある場合も明記します。
9枚目〜損益計画表
△月次の損益計算書です。実際に動きだす前で雲をつかむような項目もありましたがしっかり書き込みました。
そんなこと、開店(開業)してみないと分からないよ。では計画性が乏しいと判断されます。
数字が重要というのはこういうことです。とにかくすべての数値化を目指しましょう。
10枚目〜資金繰り表
△資金繰り表は現金収支をまとめたものです。最初は作る予定がありませんでしたが、しっかり作成しておくと現金のショートを防ぐことができます。
破綻していると、あっという間に倒産という事態になりかねません。と担当者に作ったほうがいいとアドバイスされました。いまだによくわかりませんが・・・。
11枚目〜売上、仕入・経費の根拠
売り上げ、仕入れ、経費の根拠を示した資料の添付先を記した表です。
ただの数字だけでは説得力がありません。数字を裏付ける見積り書などがあることを明記しコピーを添付しました。
数字を裏付ける資料添付は必須
事業計画書のポイントまとめ
いかがでしたか?
事業計画書を通して融資する側は3つの問いかけを見ています。
その事業は実現できるか?
その事業で返済できるか?
数字にウソはないか?
繰り返しますが、情熱より数字です。
数字を裏付ける見積もり等も必須です。
金融機関は基本的には貸したいんです。
夢溢れる立派な事業にお金を貸すわけではなく、毎月利息を返してくれる人や企業にお金を貸します。それが最優先です。
技術的なモンダイを乗り越えよう
エクセルやワードなんて使えないよ、という方もいるでしょう。わたしはワードは使いこなせますがエクセルは苦手でした。
それでもエクセルに手をつけて、事業計画書を作成し300万円の融資を受けることができました。
よく聞くのは、パソコンは苦手で事業計画書なんて作れないからとコンサルタントなど外注に丸投げするパターンです。
この記事では情熱より数字ということを一貫して伝えてきましたが、最後の一押しは経営者が事業にたいして、知恵を絞り汗をかいたあとが残るその事業ならではの内容と情熱です。
わたしは事業計画書をすべて自分で書き、44ページパージョンの事業企画書も合わせて提出しました。
情熱だけで審査は通りません。でも、数字を後押しする情熱も必要です。
つたなくても伝わる事業計画書を作成しましょう。
やるしかない、と思ったら意外とやれるものですよ。