マンションを買おうと思い立ち、住宅ローンを申し込んだことがあります。
結果は落選。まさかの足切りでした。
当時1000万円を超える収入でしたし、担当者も大丈夫でしょうと太鼓判を押してくれていたんですが落ちたんです。
なぜ住宅ローンの審査に落ちたのか?理由は教えてくれませんでしたが、だいたい想像がつきます。
原因は、フリーの個人事業主だから。
サラリーマンの平均年収より多いのに落ちたわけ、それは個人事業主は収入が安定していないからです。芸能人がローンを組めない話をネタにしていることがありますよね。毎日テレビに出ていても現実には住宅ローンの審査に落ちてしまうんです。
キーワードは安定です。
というわけで、わたしのような個人事業主を含めて、住宅ローンの審査に落ちてしまう人の原因を探ってみました。原因がわかれば次の対策が見えてきます。憧れのマイホームを手に入れましょう。
原因その1:収入が少ない
身も蓋もないですが、収入が少ないと審査に落ちてしまう可能性は高いです。その収入で月々のローンを払えますか?ということです。年収200万円で5000万円のマイホームなんて無理な相談ですよね。フラット35では明確に返済負担率が決められています。
年収 |
400万円未満
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400万円以上
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基準 |
30%以下
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35%以下
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400万円なら年120万円。10年で1200万円。20年で2400万円。30年で3600万円。
そう、30年ローンなら3600万円まで借りられるということになります。
逆にいえば、4000万円の物件は買えないということに。
いずれも単純計算ですから参考程度にとどめてください。
ちなみに、わたしは計算上はクリアしていたのですが落ちてしまいました。
原因その2:収入が不安定
職業によっても左右されます。
わたしのパターンです。
サラリーマンは給料をそのまま生活費やローンにあてられますが、個人事業主は収入ー経費=サラリーマンの給料になります。
つまり、1000万円収入があっても経費が300万円なら実質年収は700万円。800万円もらっているサラリーマンより少ないんです。
しかも、わたしの場合は病気をして仕事を休めば、収入ゼロ。誰も保証してくれません。貸す側にとっては「不安定」要素になります。
年収300万円の公務員と500万円のフリーランサーなら、公務員のほうが審査に通りやすいです。
自営業や派遣社員だから申し込めないわけではありませんが、いわゆる勤め人、公務員や会社員が審査に落ちにくいのは間違いありません。
「安定」という強みは、住宅ローンにおいて強力な武器になります。
原因その3:実績がない
わたしの実家は自営業を営んでいます。その年ごとに収入が大きく変動しています。
しかし、メインバンクの信用金庫はほぼ言い値でお金を貸してくれるそうです。その額ウン千万円ときいて腰が抜けそうになりました。
どうしてそんな大金を貸してくれるのか?
質問の答えは一言「信用の積み重ね」。即答でした。
誰だって初めて取引するときは、どんな相手かわからず、素性を疑います。本当にきちんと返済してくれるのか、信用ゼロの状態からのスタートですから。
そのリスクを減らすために正社員の肩書きや収入があるわけです。誰でも最初は実績ゼロからのスタートなので住宅ローンの審査に落ちたからといって気分まで落ち込む必要はありません。
では、個別の職種別に住宅ローンに通るor落ちるパターンをみていきましょう。
正社員
サラリーマンは住宅ローンに有利です。会社に連絡を取って在籍確認を取れますし、収入も安定しているので基本的には借りられます。
ただし、一つだけ落ちる可能性のある項目が。
それは、勤続年数です。勤続3ヶ月程度から申し込めますが、1年未満の場合は審査に落ちる可能性があります。
仕事を転々として腰が落ち着かない人と、勤続20年ではどちらに貸したいですか?
収入の金額だけでなく、勤続年数も「信用」のひとつなんです。
派遣社員・契約社員
派遣や契約社員でも、住宅ローンに申し込むことができます。
わたしの知り合いもフリーでずっとやっていて1年ごとの契約社員に変わりましたが、住宅ローンは無事通過。今は大田区に一軒家を購入しました(うらやましい)。25年ローンを組んで、繰り上げ返済しながら頑張っています。
その場合、正社員より重視されるのが、年収の額です。大きければ借入しやすいのは確かです。
わたしの場合は貯金をもっとしておけば通っていたかもしれません。頭金にあてる金額が少なすぎてローンの額が大きくなってしまいました。
じゃあ、年収が少ないと借りられないかというとそうではありません。
共働きなら合わせた年収で審査してくれる金融機関が多いので諦めないでください。
相談だけならタダ。まずは担当者に話を聞いてみることが大切です。
自営業・個人事業主
わたしもこのカテゴリーになります。先ほどお話ししたようにサラリーマンや契約社員よりも審査は厳しいのが現実です。
当時は、多額の貯金をしないとマンションを買えないんだなとすぐに購入を諦めました。
金融機関によりますが、住宅ローンの審査には直近2年間、年収ではなく経費を差し引いた所得が300万円以上などの条件があります。
確定申告書など様々な書類の提出も求められます。これは事業融資など様々なローン申請と同じですね。
わたしはインターネットを通じて確定申告をしているので確定申告書のほかに税務署が受領した証となる「メール詳細」と呼ばれる受信メールのコピーを提出するよう求められました。
しかし、直近1年分のメール詳細が届いておらず審査に苦労した経験があります。(実際落ちました)
無職や専業主婦など
無職や年金受給者、アルバイト、パート、専業主婦などは住宅ローンを組めないケースがほとんどです。例え、不動産収入があっても、収入が不動産によるものだけなら「無職扱い」となり、審査に落ちる可能性があります。
これは融資先の銀行などの金融機関によって異なるので問い合わせてみてください。基本的に金融機関は融資をしたいわけですから。
ブラックリストなど「信用」に問題があった場合
住宅ローンを申し込んだとき、かつてローンの支払いを滞ったことがある方だと審査に落ちる可能性があります。
業界でいうところの信用事故ってやつです。
信用事故があると少額でも審査に引っかかってしまうんです。いわゆる「うっかりしてた」「忘れていた」パターンの滞納(延滞)でも同じです。
・携帯電話の料金を支払っていなかった
・カードローンの返済を延滞した
・車のローンの返済を延滞した
滞納情報は、金融機関が閲覧できる信用情報機関に登録され、5年ほど履歴として残ってしまいます。とくに直近1年以内に延滞していればまずNG。住宅ローンの審査に落ちるとみていいでしょう。
物件に問題
住宅ローンは、物件によって扱えない場合があります。
例えば・・・
・競売物件
・店舗と併用の物件
・第1順位抵当権を設定できない物件
・親族間で売買した物件
・500万円未満のリフォーム物件
住宅ローンは500万円以上からなので500万円未満の物件には適用されません。条件は金融機関によって異なりますのでお問い合わせください。
物件を下見して、「欲しい」と思っても早いもの勝ちになることがあります。実際わたしも気に入ってすぐ融資の申し込みをしました。しかし、結果は審査落ち。かなり時間がかかり、イライラした覚えがあります。
その後、事業融資のローンなどを通してわかったことは、窓口で担当者と直接会って相談したほうが話が早いということです。
ネット上の情報だけでは限界があり、間違って理解していたことが多々ありました。
早ければ1週間ほどで融資の結果がわかりますので、一度審査に落ちてしまった人は窓口で相談してみることをおすすめします。
念願のマイホームを手にするまで一番大切なこと、それは諦めないこと。